■杉並のシェルター住居 1999.08

計画地 :東京都杉並区 密集した住宅地内の木造古屋の建て替え計画である。現在この地にお住まいのお母様と息子世帯(夫婦+子供3人)が同居して住まう家である。広いとは言えない敷地の中で家族6人が暮らすボリュームを確保するため3階建てとなった。敷地は3層の内部空間と、2層分の高さをもつ周壁で囲われた外部空間とに2分され、密集した周辺状況の中でプライバシーを守りつつ外部空間とオープンにつながった生活空間を可能としている。高度斜線、日影規制の影響で3層の棟は敷地の南西側半分を占めることとなったが、採光や通風は囲われた外部空間に開かれた大きな開口部と、隣地側に最小限設けられた開口部とトップライトで得ている。1階は大人の寝室空間、2階は家族が集まる居間空間、3階は子供室と各層に明確に用途が振り分けられ、それぞれの層が内部の吹き抜けや外部空間によってつなげられている。2階の浴室等の水廻り空間には多用途に使えるバルコニーが添えられ、ダイニングと一体化したデッキテラスと2階レベルで対峙している。長らくこの地に住まわれてきた母の寝室は街に最も近い1階の道路側に設けられ、気兼ねなしに地域住民とコミュニケーションを続けられるよう、出入口ともなる広い縁側が備え付けられている。
用 途 :住宅
主要構造:鉄筋コンクリート造
敷地面積:150m2
延べ面積:173.75m2

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2FPLAN

3FPLAN

PERSPECTIVE