■袋小路の家 2012.06

計画地 :横浜市保土ヶ谷区 商業地に近い横浜の下町。道路整備が整うよりも先に小住宅が建てられることで形成されてしまったような街区であり、世代交代とともに借地を買い取って住宅の建替えが進んでいて、三階建のプレハブ住宅や店舗、空き地の駐車場、トタン張りの古い住宅などにバラバラに囲まれた敷地である。 敷地は奥まった私道とかろうじて接道しているようないびつな形状の敷地であり、周辺の建物や住民との距離が近すぎているために、騒音や採光などの問題が生じやすくなっているようである。 この場所に長く住まわれてきた、リタイアされた御夫婦とその母親のための住宅の建替え計画であるが、少人数かつ高齢の家族であることと、建設予算を抑えるために建物は極力小さくして介護に備えたバリアフリーの住宅としている。周辺の建物が迫った奥まった敷地であるため建物の表情が作りにくいが、斜めの壁を持った5角形の建物として、この街区への調和しつつ屹立する存在感のある建物とすると同時にプライバシーの確保にも配慮している。 小さな建物であるが大きな吹き抜けを備えることで限られた時間帯の日照の確保と、低ランニングコストの全館空調を備えることを前提としている。
用 途 :住宅
主要構造:木造
敷地面積:125.56m2
延べ面積:80.46m2

1FPLAN

2FPLAN