■表具師の家 2001.12

計画地 :東京都文京区 幹線道路の西側以外の3方を全て10階建程度のビルに近接して囲まれているという悪条件の敷地。バブルの波と都市計画に蹂躙され続けられてきたことを物語るようにビルの谷間にひっそり佇む木造2階建ての既存家屋。自宅の1階で表具屋を営む住居の建替計画である。狭小なこの敷地と建主の高齢化を考えるとエレベーターは必須であろうと考え、また将来的にSOHO的な賃貸事務所への用途変更をふまえて、平面形はペンシル型のオフィスビルをさらに縮小したようなかたちとなった。4層分積層されたほぼ等しい平面は唯一日照が得られる西面と屋根面からの採光を考慮して決定されている。エレベーターの使用を前提に、住居の必須機能となる水周りは、ルーフテラスや3階への吹抜けとともに最上階に配置されている。最上階の一部はロフト的な客間圏趣味室にあてられ、屋上からと3階からの双方からアプローチできる離れ的な小さな空間となっている。2階3階居室部分の片側壁面は全て壁面収納とされ、そのなかに仏間やキッチンなどを収納し、建主の表具師自らの手で襖を建て込んで頂く予定である。道路側外壁はプロフィリットガラスをダブルに入れるか若しくはガラスブロックなどとして、強烈な西日を適度におさえつつ、都市の騒音を遮断する。
用 途 :事務所併用住宅
主要構造:鉄骨造
敷地面積:54.57m2
延べ面積:150.95m2

1FPLAN

2・3・4FPLAN

PERSPECTIVE