◎よくある質問をまとめました◎

■設計をお願いした場合、工事は知り合いの工務店でやってもらうことは可能ですか?
■設計をお願いする場合、どの段階から設計料を支払う必要があるのでしょうか?
■建築条件付の売地の建築条件を外せますか?
■ハウスメーカーで家を建てたいのですが、設計だけ設計事務所でお願いできるのでしょうか?
■ハウスメーカーじゃなく建築家に設計を依頼するメリットはなんですか?
■監理とはどのようなことをやるのですか?
■設計料とはどのくらいなのですか?
■土地を探す段階から設計事務所に手伝って頂けますか?
■リフォームか建替えか迷っています。
■構造は木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造のどれが優れていますか?
■外断熱と内断熱どちら?
■建物に保障は付きますか?

■設計をお願いした場合、工事は知り合いの工務店でやってもらうことは可能ですか?
全く問題はありません。工務店として指定いただいても結構ですし、相見積もりしてもらう工務店のひとつとして参加してもらうだけでも構いません。
 
■設計をお願いする場合、どの段階から設計料を支払う必要があるのでしょうか?
当事務所では基本的に初回のプレゼンテーションまでは無料で行っています。その後基本的な点で合意頂ければ設計契約を交わして頂くこととなります。
 
■建築条件付の売地の建築条件を外せますか?
仲介業者または売主との協議によってはある程度の金額を上乗せすれば条件を外せる場合もあります。工務店が自社で土地を開発して分譲しているような場合は難しいでしょう。当事務所にてその協議について協力もできるかと思います。
 
■ハウスメーカーで家を建てたいのですが、設計だけ設計事務所でお願いできるのでしょうか?
各ハウスメーカーによって使用できる材料や構造強度について独自の仕様を設けているので、基本的にその仕様に従う必要があります。現実的にはその仕様に精通しているハウスメーカー内部の設計士や外部の設計コンサルタント(協力設計事務所)が詳細設計を行うことになると思いますが、基本プランを作成したり、ハウスメーカーとの打ち合わせに数回同行したりというかたちで協力できます。 当事務所にてコンサルタント提携しているハウスメーカーもありますので、そのハウスメーカーなら問題なく設計可能です。
 
■ハウスメーカーじゃなく建築家に設計を依頼するメリットはなんですか?
何をメリットと考えるかによって人それぞれでしょうが、別にこだわりも何もなくみんなと同じでよいという考え方ならばハウスメーカーを選択した方がよいかもしれません。デザインにこだわりたい人や、材料にこだわりたい人、きめ細やかな使い勝手を要望される方、建てる家に愛着を持ちたい方は建築家に頼むべきでしょう。優れたデザインを実現できること以外のわかりやすいメリットとしては、工務店側でなく施主の利益のために建築家は雇われているということで、図面とおりに工事が行われているかというチェックや、見積もり金額が妥当かどうかというチェックを行います。設計、設計監理費用が生じますが、建築家が見積もりを一通りチェックするだけでかなり減額が可能ですし、工務店を決定する際にも数社を競争させる相見積もりという方法をとるので、その設計料分はすぐに取り戻すことができるでしょう。経験的にいって工務店3社から相見積もりを取ると高い工務店と安い工務店では最大で2割程度金額が違って、そこからさらに見積もりチェックでさらに数%金額が落とせますし、それでも予算を超えているような場合は部分的に仕様を調整することで予算に合わせるということが通常です。
 
■監理とはどのようなことをやるのですか?
設計図書を作成することが設計業務で、それ以降の工務店から見積もりをとったり、図面通りに工事が行われているか現場でチェックすることや、工事代金の支払が妥当かを判断することが設計監理業務と呼ばれています。工事期間中は大体週1回程度現場にやってきて、工事のチェックや工務店への指示、建て主への確認などを行います。
 
■設計料とはどのくらいなのですか?
設計事務所によってまちまちですが、標準的な2、3千万の木造住宅であれば工事契約代金の10%程度が相場だと思います。著名な建築家ともなると20%とるところや、工事代金に関係なく一律5百万円とか、坪あたり9万円とか決めているところもあります。15百万程度のローコスト住宅や、木造以外の構造だと2%ほど設計料率が高くなるのが普通だと思います。中には7%くらいでやる設計事務所もあると思いますが、なぜ安いのか聞いた方が良いと思います。設計に取りかかる以前に両者合意のもとでならともかく設計料を値切るのはやめた方が良いでしょう。10%でもあまり割りの良い仕事とは言えないので。建て主にとって設計料を含めた全体工事費が1%安くなっただけでも、設計事務所にとっては売上が1割も減ってしまうのです。安くするのなら建物で削る方が良いことは言うまでもないと思いますが。
 
■土地を探す段階から設計事務所に手伝って頂けますか?
そういう依頼はよくあります。正直言って土地の良し悪しは個人的な主観によるものなので土地を決めてから依頼された方が設計事務所としても気は楽です。ただし実際にその土地に希望の建物が建つかどうかは設計事務所に見てもらった方が安心です。目に見えない建築制限とかありますので。整形な平坦地ならばそんなに気にしなくてもお隣と同等程度のものは経つと考えても大丈夫でしょうが、狭小地や高低差のある敷地などは素人や、不動産屋でも判断するのは難しいと思います。単価の安いそんな土地を狙っているならば、ハウスメーカーではなかなか建たない場合が多いので設計事務所の力を借りるべきでしょう。当事務所にて不動産業者を紹介することも可能です。
 
■リフォームか建替えか迷っています。
リフォームより建替えた方が安いということは実際よくあります。あまりお金をかけないで間取りを少し変える程度ならリフォームで十分でしょうが、水周りの位置を大きく変えたり、木造で土台や柱が腐っていたり、シロアリにやられていたり、耐震性が不安な場合などはかなり大きな工事となります。既存の建物がしっかり造られていて愛着もたっぷりこもっているような場合にはリフォームする価値はあるでしょう。またリフォームの利点として仮設工事や解体工事などが新築に比べてはるかに少なくすみます。リフォームと建替えでそれぞれあと何年使えるかを考えることも重要です。
 
■構造は木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造のどれが優れていますか?
木造はコストと木の持つ質感、素材自体の断熱性、鉄筋コンクリート造は耐火性、耐久性、耐震性、気密性に優れています。鉄骨造はその中間といったイメージでしょうか。鉄骨なら木造では難しい大空間もかなり簡単に実現できます。個人的には、お金があれば、火事が一番怖いので鉄筋コンクリート造として床とか内部の壁で木の自然な質感や、コンクリート打ち放しの質感を取り入れ、さらに余裕があれば外断熱をしてコンクリートに蓄熱させる方法を選び、お金がなければ割りきって節だらけでも太い断面の木材を使った木造とします。どちらも間仕切りの少なく将来の用途変更にも対応できるようにして。
 
■外断熱と内断熱どちら?
施主向けの書籍で内断熱の問題点が糾弾されて以来”外断熱”がほとんどブームのようになっています。木造で考えた場合は壁自体に熱を蓄えることはできないので”外張り断熱”というのが正式な呼び方だそうです。分厚い壁で熱をたっぷり蓄えられる鉄筋コンクリート造、鉄骨構造体によるヒートブリッジ(断熱欠損)をさけられる鉄骨造では外断熱の効能が大きいと思いますが、温暖地域での木造についてはそれほど意味が大きいとは思いません。木造での良い点は通常断熱材が詰め込まれるべき壁厚の部分を収納とか、 屋根においては小屋裏とかに有効に使えるということはあります。外断熱にすることで断熱材はグラスウールなどの廉価なものからボード状の割合高価なものになります。温暖地の木造であれば内断熱でも外壁側の通気層をちゃんととってあれば大丈夫でしょう。高性能の影には単価を上げようとするメーカー側の思惑が潜んでいることも知っておいた上で判断すべきです。
 
■建物に保障は付きますか?
建築家、設計事務所自体が工事を行うわけではないので、建物の保障は工務店による保障です。ただし明らかに設計ミスによって生じた損害については設計者に賠償を請求することが可能です。品確法によって住宅の基本構造部分の10年保障が義務づけられましたが、10年というと掘立て小屋でも持ってしまう程度のものなので、設計事務所によく監理してもらうことの方が重要なのは言うまでもないでしょう。